常務などが集まって作られる取締役会の方針決定が、執行役員の仕事量を左右するといっても過言ではない。執行役員はいわば管理職にとっての管理職という存在だから、目の上のタンコブになるのが取締役会ということになる。そういう意味では、役員とはいえストレスの多いポジションだといえる。
通常の役員は社員ではないため、給与ではなく報酬が支払われ、基本的に退職金も役員就任時に支払われる。しかし、執行役員は扱いとしては使用人でしかなく、雇用されている事実は一般社員と変わらない。そのため執行役員になっても、それほど偉くなった気がしない、というのが彼らの本音かもしれない。
執行役員は取締役とは違って、企業の隅々まで意見が出せ、管理をしやすい。比較的動きやすく身軽なポジションだといえる。このため企業によっては、「代表取締役兼執行役員」など、社長などの役員がこの肩書をあえて名乗ることで、細かい指示を出すことがある。発展途上の企業や建て直しが必要な企業で多いケースだ。
日本で執行役員制度を最初に導入したのはソニーだ。これは1997年のとであり、増えすぎた役員の管理とコスト削減に大きな効果を生み、他社もこれに倣ったのだ。なお、「執行役員」という日本語もソニーが考えたもので、このネーミングは「ウォークマン」に次ぐ大ヒットだと言われている。